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かじりアト

ややオタク寄り。平凡アラサーOLの独り言

「ハーモニー」伊藤計劃 感想

小説

なんだか最近伊藤計劃さんだらけになってきている気がする…。笑
でもいま一番気になるのだもの、仕方がない。

 

以下、ネタバレ含みます。

 

「ハーモニー」は人類最後の意識のお話でした。
超高度医療社会、人類皆が体内にWatchMeという監視システムを導入し、ほぼすべての病を克服した未来の世界。そこで、社会に不信感をもつ3人の少女、霧慧トァン、御冷ミァハ、零下堂キアンが出会うところから物語は始まり、反逆、暴動、そして一種の昇華という形で幕を閉じます。

 

虐殺器官」もそうでしたが、伊藤計劃さんは人の機能や進化について並々ならぬ関心を持っている方だったのだな、と再認識。中でも「言語」「意識」についての解釈は非常に興味深く、読んでるこちらも思わずのめり込んでしまいそうです。

“人間の意識・行動を支配し操ってしまう「器官」があったとしたら…”というのが、「虐殺器官」「ハーモニー」に共通するお題。さらに、「ハーモニー」の世界に至るきっかけが、実は「虐殺器官」の中にあったという読者泣かせの展開。それなのに結末が全く違う方向へ進んでいくのも面白いです。

 

「ハーモニー」では最終的に全人類の意識は消滅し、社会システムに統合され、全てが自明で淡々と処理されていく調和のとれた世界に変異します。

 

しかしながらこのハーモニーの先、またミァハのように何らかのきっかけで意識を取り戻した個体が出てきたとしたら。周りは機械的に動く中で、自分だけがすべての物事に対して判断しなくてはならない世界に生きることになったとしたら、それは地獄でしかないなと思うことでした。

 

さよなら、わたし。

さよなら、たましい。

もう二度と会うことはないでしょう。

 

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

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ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

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