読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

かじりアト

ややオタク寄り。平凡アラサーOLの独り言

「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都 感想

今年の本屋大賞に輝いた宮下奈都さん。受賞作である『羊と鋼の森』はぜひ読んでみたいと思っているのですが、私は結構頑なな文庫本派。ハードカバーは持ち歩きが大変だし、本棚も場所取るし、よっぽどのことがない限り買いません。

ただそうするといざ手にするまで数年かかるわけで…。でも気になる、宮下奈都さん。というわけで、過去作の中で人気のありそうな『太陽のパスタ、豆のスープ』を読んでみることにしました。

本作のあらすじは下記のとおり。

結婚式直前に突然婚約を解消されてしまった明日羽(あすわ)。失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したの“ドリフターズ・リスト(やりたいことリスト)”の作成だった。自分はこれまで悔いなく過ごしてきたか。相手の意見やその場の空気に流れていなかっただろうか。自分の心を見つめ直すことで明日羽は少しずつ成長してゆく。自らの気持ちに正直に生きたいと願う全ての人々におくる感動の物語。


結婚式直前での婚約破棄。ストーリー初っ端から、なかなかショッキング展開です。ただそれにしては、当人や周りの反応がやや淡白な印象。なんとなく、ですが、今作で宮下さんが描きたかったのは、あくまで「ドリフターズ・リスト」であって、婚約破棄はそのシチュエーションを構成するための要素の1つとして設けられたにすぎないのかな、と感じました。

そのため、正直あまり感情移入できず、読み進めるのも億劫な気持ちに。「ドリフターズ・リスト」に沿ったところでは登場人物が良いことを言ってくれるのですが、そこにフィーチャーするのであれば、こういった小説の形をとる必要はない気がします。

ただ、いまの自分的に、非常に気に入った台詞があったのでご紹介。
婚約破棄をきっかけに、これからの自分の生き方をゼロから模索する主人公。「これだ!」と思いやってみても、上手く行かなかったり、失敗したり、心が折れたり。そんなときにかけられたこのフレーズ。

まぁでも、がんばれるときに、がんばれる人が、がんばればいいんだと思うよ。

がんばっている人に対して、なんだか後ろめたい気持ちになっていたのはなぜだったのか。(中略)がんばっている人のことは素直に感嘆していよう。自分ががんばれなくても開き直らず、卑下もせず、いちばん後ろからゆうゆうと歩いていこう。

 
本当にその通りだよなぁと、自分の中にストンと落ちて、しっくりはまった気がします。自分のペースで自分らしく、ピンときたものを大切に。そうやって自分の道を生きていこう。

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)